京の黄真珠 新京野菜×農福連携 – KYOTO Vege Style

京の黄真珠

新京野菜×農福連携

ぴりりと辛い
京都市産スパイス「京の黄真珠」

京の黄真珠は、直径5~8mm程度の小粒で、香りが良く、黄色い丸型のとうがらしです。
辛さは鷹の爪の2倍程度と言われ、主に乾燥させて香辛料として利用されており、色味や辛味付けに向いています。
京都市内で栽培されており、農家が栽培・収穫した後、障害者福祉施設で果実の選別したものを香辛料会社が製品化する、農福連携の取組が行われています。

栽培スケジュール

京の黄真珠の栽培スケジュール

京の黄真珠ができるまで

京の黄真珠は、京都市内の農家で大切に栽培し収穫した後、
障害者福祉施設で果実の選別したものを香辛料会社が製品化する、
農福連携の取組によって私たちの手元に運ばれます。

京の黄真珠ができるまで京の黄真珠ができるまで

京の黄真珠を作っている人々

京の黄真珠を作っている人々

京の黄真珠を支える誇り

スパイスの製造工程の一部を担う

わーくすぺーす大樹は2017年4月に開設した就労継続支援B型事業所です。事業所開設当初から新京野菜〝京の黄真珠〟の普及促進に関する農福連携の取組に参加しています。

瓶詰めスパイスの製品化の工程の中で、事業所の所属メンバーが担当するのは〝京の黄真珠〟の実の選別です。

実の収穫期は8月~10月頃で、この時期に4名から8名ほどで選別作業を行います。事業所には実や葉がついた枝の状態で届けられますが、緑色の実や葉も混在しているので、これを製品に使用する黄色のものだけに選り分けます。鮮度が大切なため、朝届いたものはその日の夕方までに作業を済ませます。

色々な人が取り組める仕事

実の選別は特殊な技術がいらないので、幅広い人が作業に携わることができます。そういう仕事は少なく、新しい仕事が創出されたことは大きな利点です。

また、実の受け渡し時に「京の黄真珠はどのような状態で届けると作業しやすいか」「黄色と緑色の中間色があるが、どこを基準にすれば良いか」など、生産者とのやり取りがあり、作業の効率と精度を上げるように努めています。

スパイス〝京の黄真珠〟という製品を実際に目にすることで、選別の仕事のモチベーションアップにつながり、毎年の作業が楽しみになっています。

In Voice

高野早織さん
「京の黄真珠のスパイスを使った食品がコンビニで販売されたことがありました。自分が関わった品が身近な商品に使われているのを見るとうれしいですね」
山口真澄さん
「京の黄真珠のスパイスが東京のレストランで使用されているWEB記事を事業所のスタッフが見つけて教えてくれました。スパイスが重宝されている記事を読むと、次もまた作業を頑張ろうと思えました」
「最初は大きな枝が届けられて、実を取り外すのに苦労しました。それを農家の方に相談すると、次からは枝を小さく切ったものを届けてくださり、作業がしやすくなりました」
就労継続支援B型事業所
わーくすぺーす大樹
京都市右京区梅津南広町73-2
https://workspacetaiju.wixsite.com/mysite

京の黄真珠を作っている人々

大学×地域×福祉施設が連携した商品づくり

パンや柚子胡椒の製造に参加

飛鳥井ワークセンターは主に製パン事業、調理配食事業を行う就労継続支援B型・就労移行支援事業所です。

こちらでは、京の黄真珠の加工品づくりに携わってきました。京の黄真珠のスパイスを使ったパンを製造し、施設1階にある店舗「harvesthomeHOLYLAND」にて期間限定で販売しています。

さらに、廃棄されていた未成熟の緑色の実を活用するため、柚子胡椒も製品化しました。〝京の黄真珠から作った柚子こしょう〟は、水尾の柚子、夕日ケ浦の海水をくみ上げてつくる〝翁の塩〟を使用した、京都産素材のみにこだわった製品です。

事業所のメンバーはゆずの皮の白い部分の除去や、ラベルシール貼りなどの作業を担当。これからもメンバーが従事できる仕事を少しずつでも増やせるよう検討しています。

自信を持って仕事ができるように

京の黄真珠の可能性を引き出すために、商品パッケージをデザインした嵯峨美術大学の学生らと一緒になって、一つの製品を作り出しています。

このように色々な立場の人が携わる業務の一環として参加できることは、事業所にとってもメンバーにとっても喜びです。農福連携、メイドイン京都...など、ストーリー性を持った商品製造に携われることも誇りになります。また記事として取り上げられるなど注目される素材なので、新たな製品開発が楽しみとなっています。

京の黄真珠は希少なため、商品も安価ではありません。そのため急速に普及するのは難しいかもしれませんが、まずは一般の家庭に認知され親しまれることを願っています。

In Voice

嵐 知美さん
「普段は調理に従事しています。お米など重いものを運ぶときは大変ですが、料理ができるようになったのがうれしいです。〝京の黄真珠から作った柚子こしょう〟の製造作業は楽しく、これからも携わっていきたいです」
本田幸日さん
「いつもの調理の仕事では、汁物や具を混ぜる作業を担当しています。料理は難しいですが、美味しいものが作れたときは幸せです。〝京の黄真珠から作った柚子こしょう〟は、胸を張って自慢できる良い商品です」
𡈽川聖子さん
「事業所に来て、調理が身につきました。特に玉ねぎを切るのが得意です。私たちが製造に携わっている〝京の黄真珠から作った柚子こしょう〟が、たくさんの人に食べてもえるようになればいいと思います」
飛鳥井ワークセンター
京都市左京区田中飛鳥井町40
https://shuko-gakuen.or.jp/

京の黄真珠を作っている人々

京の黄真珠を障害のある人と広げる

京の黄真珠生産組合
代表 山岸俊太朗さん

京都市西京区大原野南春日町
京の黄真珠生産組合の代表。農業法人に勤めた後、2017年に就農。新京野菜の「京の里だるま」、「京夏豆」なども栽培。
農福連携の取組を拡大したい

農業法人に勤めた後に独立し、就農して3年になります。京の黄真珠生産組合の代表として、京の黄真珠の普及に取り組んでいます。もともと唐辛子の栽培に興味を持っていたところ、農福連携の取組に共感し、より京の黄真珠の栽培に惹かれました。

障害のある人たちと一緒に作業し、栽培を広めることに意義を感じています。就労継続支援事業所に京の黄真珠を届ける際などに事業所のスタッフやメンバーの方とお話をする中で、どういった作業が依頼できるか考えるようになりました。他の作物でも仕事を生み出せないか、独自に福祉と連携できることはないか、検討しています。

500株の収穫時季を見極める

現在は市内で10軒ほどの農家と連携して生産し、自身の畑では1シーズンに500株ほどを栽培しています。土づくりにはバーク堆肥という土壌改良に効果のある植物性の堆肥を用いています。4月下旬〜5月に定植し、8月下旬〜9月に実を収穫します。完熟のピーク時から収穫に取りかかると、時季の後半には寒さで実が落ちはじめるため、ピークを迎える前に収穫する時季の見極めが必要になります。

今後はスパイスだけでなく、幅広く活用方法を増やしたいと考えています。

愛らしい“京の黄真珠”の苗

広々としたほ場

実がつき始めると、緑の葉の中から色鮮やかな黄色の実が見えてくる

POINT

栽培のポイント
京の黄真珠は1mほどの高さにまで育ち、全体にぎっしり実をつけます。気温が下がると紫っぽく変色してしまいます。
山岸さんが薦める京の黄真珠を使用したレシピ
魚介系の鍋の薬味として使うのがおすすめ。京の黄真珠の鮮烈な辛さとフルーティーな香りが引き立ちます。

京の黄真珠を作っている人々

農業と福祉の経験を活かして

嵯峨野ファームネット
今井義弘さん

京都市右京区嵯峨広沢南下馬野町12-1
http://saganofn.jimdofree.com
右京区を拠点に農業を営み、農業体験農園「すこやか嵯峨野ファーム」を運営。農業体験農園・園主会会員。
福祉とのさまざまな連携を実施

代々農業を営み、就農して40年になります。京都府内に約5ヘクタールの田畑で、農作物を育てています。また市民向けに農業体験ができる農園「すこやか嵯峨野ファーム」を運営し、幼稚園児や福祉施設を利用する人たちが農作業に触れる機会を提供するなど、長年、社会福祉活動を行ってきました。

自身で作物を育てる田畑でも、以前から障害のある人たちを雇用。京の黄真珠の栽培にも今年は3名が参加しています。行政が農業と福祉の連携に加わることで農福連携の取組が円滑に進み、取組の内容も幅広くなってきています。これからも農福連携事業が活発になればいいと思っています。

京の黄真珠を色、香り良く育てる

京の黄真珠の栽培は3年前から吉祥院の畑で行っています。5mmほどの小さな実からゴマ粒ほどのタネを取り出し、3月に種蒔き、4月に植え付け、6月に花が咲き、7月から順次緑の実を付けていきます。8月から11月にかけては、実が緑から黄色くなり枝ごと切って収穫していきます。収穫した実は就労継続支援事業所のメンバーが選別し、これを今井さんの作業場で乾燥させた後、生産組合に納めています。

京の黄真珠は辛さだけでなく、他にはないフルーティーで余韻の長い香りが特徴。柚子胡椒などさらなる商品開発で京の黄真珠のスパイスが広く普及することを期待しています。

今井さんから、作物の栽培状況のアドバイスを受ける

作業場では“京の黄真珠”以外の野菜も含め、丁寧に作業を行う

POINT

栽培のポイント
手をかけすぎず、放って置きすぎず。長年の農業の経験と知識で、その時必要なことを見極めることが大切。
今井さんが薦める京の黄真珠を使用したレシピ
ラーメンやそばによく合います。麻婆豆腐に入れると独特の辛みと香りが加わり、味がグレードアップします。

京の黄真珠を使った
美味しさ満点レシピ

京の黄真珠の風味や味を活かしたレシピを、京都の人気料理店シェフに考えてもらいました。
早速、今日、真似したくなる技ありレシピの数々。ぜひ皆さんのご家庭で、お試しあれ。

レシピを教えてくれるのはこの人たち

  • 大前 智生さんタイガー餃子会館
    料理人歴20数年。中国本土に渡って2 年ほど経験を積み、帰国した後[タイガー餃子会館]の店長に
  • 大橋 昌隆さんダニエルズ本店
    イタリアン一筋の料理人から、現在は専務取締役へ。エネルギッシュな人柄でスタッフの士気を高める
  • 堀切 精一郎さん膳處漢ぽっちり
    「際コーポレーション」グループの総料理長。素材を最大限生かして余計なものは引く、が料理のモットー。
  • 佐藤 篤さんダニエルズアルバ
    フレンチシェフやパティシエ、イタリアでの現地修業など豊富な経験から得た知識を料理に投影する実力派
  • 矢野 悟郎さん五十棲
    二十歳から料理人の世界へ。自社農園で育った季節の野菜を美味しく食べてもらうことに情熱を注ぐ

01ズッパ ディ ペッシェ

干しえびの旨みを活かしたイタリア版ブイヤベース。京の黄真珠は、最後にかけても香りが際立ちます。
佐藤さん

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02ピリピリチキンマリネ

ベースはポルトガルの家庭料理「ピリピリチキン」。赤い唐辛子の代わりに京の黄真珠を使いました!
大橋さん

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03九条ねぎとしらすの焼きそば

蒸したそばをオリーブ油で炒めることで、パスタのような味わいに。ピリ辛好きのための麺料理です。
大前さん

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04焼き小籠包

京の黄真珠ゼリーを餡に練り込んで、独特のフルーティな香りと辛さを皮の中に閉じ込めました。
堀切さん

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05京の黄真珠を効かせた白味噌豚汁

京の黄真珠のフルーティでインパクトのある辛さと白味噌の甘さ、かなり相性が良いと思います!
矢野さん

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